『SAW』

ソウ [UMD]

ソウ [UMD]

ミステリィファンが言うところの「意外なクライマックス」というやつで、見終わった直後は拍手喝采、そのあと段々悔しくなってくる。今ちょうど悔しくなってきたところなので、とりあえず序盤が退屈なところがパズラーらしくて良かったです、と書いておこう。
トリック自体は忘れてしまっても構わない。ただ、なぜこれほど単純なトリックに自分を含めて多くの人が騙されるのだろう、ということを考えてみる必要がありそうだ。すぐに答えがわかったり、説明されても答えが理解できないような問題はつまらない。種明かしをされると誰もが膝を打って「何で気づけなかったんだ!」と悔しがるような話が最高で、その理由がわかったら、次は自分でミステリィが書けるだろう。
「カメラはありのままを映す」と劇中の人物に言わせている。「地の文に嘘は書いていません」みたいなものか?ますます本格ミステリィだなぁ。キャラクタの台詞や動き、ストーリィの流れといった動的なものには敏感だけど、静的な初期設定は深く追求しないのが人間の不思議。マジシャンがステージに上がっている事に対しては、どれほど注意深い観客も「どうしてそんなところにいるの?」とは考えない。それを期待して見に来たからだ。しかし、この時点でマジシャンの仕事は終わっている。
カメラといえば、暗闇の中を主人公のひとりがカメラを抱えて進んでいくシーンがある。扉を開け、ストロボを光らせると怪人の姿が一瞬だけ浮かび上がり、そのまま襲われる。これは上手い!と感心させられた。色々思いつくものだ。