橋川文三『ナショナリズム―その神話と論理』
- 作者: 橋川文三
- 出版社/メーカー: 紀伊国屋書店
- 発売日: 2005/06
- メディア: 単行本
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ただ、この60年代という時期に、色川大吉や安丸良夫、そして橋川文三といった人々がそろって「本来なら封建体制に奉仕する思想を徹底することで、逆に封建体制を攻撃することが可能になる」というモチーフを取り上げたこと、それにどのような背景があったのかを考えることには意味があるのかもしれない。すぐに思いつくのは安保闘争で、過激な左派知識人ではなく、穏健で保守的な生活者が国家に対する批判者になりえた理由を考えると、こういう逆説的な論理を取らざるを得なかったのかなぁ、と。